3年生の長男が「お年玉が欲しい」と言い出した。
我が家ではお年玉制度がなく、私はあげない。夫は気が向けばあげたりしているが、今年はなかったらしい。私側の親戚は誰もお年玉をあげないし、夫側は叔母に会えばくれるが今年は会わなかったのでお年玉が一切なかった。
しくしく泣いて「○○君はいくらもらったって言ってたし、おこづかいもたくさん持っている」と言い続ける。
「へぇそういうお宅もあるんだね。うちはうち、よそはよそ」という返ししかできない。
昭和の時代から言われ続けている不動で定番のセンテンスだ。
そして訊いてみた。
長男はニヤリと笑って…
もし本気で『民族』と言っているなら奥が深そうな話だぞ?
おっ!いずれにしても奥の深いこと言ったぞ。
お金とは『金属と紙切れ』だってさ。
お金に縛られている私
カードゲームに使うカードが欲しいと熱望してせっせと皿洗いしたり、薪を運んだりしてお駄賃をもらおうとする長男。そしてこの交渉はいつもでするわけではなく欲しいものが出てくると「お駄賃がもらえるお手伝いはないか?」と訊いてきて、単価に納得するとそれをやる。
これが教育上いいかどうかは別として、「欲しいものがあるからお金が欲しい」「それを手に入れたら気分が良くなるから働く」という考え方は健全な気がする。
幼少時の変な質問
一方私は幼い頃から両親にことあるごとに「お金ある?」と訊いていた。
レストランに入れば一番安いものを注文し、両親にお金使わせることを申し訳なく思っていた。それも小学校低学年の頃からだ。
別に貧乏でもないし、両親がお金の話でもめていたこともない。至って普通の中流家庭だ。
現に姉たちはそんな感覚をもっていたことはないし、レストランでも好きなものを注文していた。
なんなんだろう?私のこの感覚?
父は本当に嫌がっていた。思い出話としてこの話はよく話題に上がった。訊かれる方は嫌だろうな。たぶん。
あなた給料もらい過ぎよ
10歳年上の女性が3年前に経理として入社してきてすぐに私に言った。
※その時点で私は勤続10年以上だった。
あなた給料もらい過ぎよ。
と。あまりにストレートな言い方に面食らったが「それもそうだな」と思った。そう、実力と給料が見合ってないとどこかで思っていた。社長に給料下げてくださいと言おうかと思うほど。
いやいや、それはおかしい。でもそれくらいしょんぼりした。「あなたには価値がない」と言われたような気がしたし、自分でも心のどこかでそう思っていたからだろう。
お金に対する感覚が…
先日、テレビを見ていたら『この人の職業はなんでしょう?」みたいな番組がやっていた。
それに出ていた男性はいかにも『成金!』という感じのお金持ちだった。派手な服装をし、ガルウィングの車で登場した。
興味深く見ていた。一体この人の職業はなんなんだろう?と。
職業は『町の獣医さん」だった。これをみて私はこう思った。
「獣医さんなのになんかイヤだな」と。
ああ、これだ私のお金に対する感覚は…と気がついた。
お金を稼ぐことはもっとなんか『悪いこと』までは言わないまでも、獣医さんというなんとなく慈善とか人間らしいというか、なんとなく儲けちゃいけない職業のような気がしたのだ。
いやいやいや、別にいいでしょうよ。獣医さんだって、保育士だって、牧師だって、カウンセラーだってお金を稼いでなにが悪いんだ?
教会の子だからかな
わからないけど、姉たちは私のような金銭感覚を持っていないから個人のもののとらえ方の違いであることは間違いないのだが、私はもしかしたら教会の子だから『お金をもらう』という感覚がずれてしまったのかもしれないと思う。
本当は話はもっと複雑なのではあるが、基本的に牧師の収入は献金である。礼拝中にかごが回ってきてそれに信者さんがお金を入れる。あれが収入になる。
私のごはんも、文房具代も、学費もすべて献金から賄われている。
そりゃそうだ。父はそれで生計を立てていたのだから。でもやっぱりリアルである。現金がかごに入れられてそれで生活しているのだから。
でも、はっきり言って収入と言うものはだれでも同じことだ。誰かが誰かにお金払って自分の生活を回していくためのもの。それがモノであっても、経験であっても、知識であっても同じこと。
でもなんとなく『もらっている』という感覚。『もらっちゃいけない』感覚。
因みに父は差し出されたものはもらうタイプの人間だった。もちろんそれ以上を要求することはないけれど。
お金をもらっているわけではない。ブツブツ交換のなれの果てであり、なにも躊躇することもないし、胸を張っていればいいのだが…なかなか捨てきれない感覚なんだよね。
なんとなく必要以上にもらっちゃいけないような感覚…。
まとめ
まとまらないので、無理やりまとめ!
とにかく、
◎自分にはその価値がない
◎お金は不浄なもの
と思っているのかもね。
よくわからんけど。
お金持ちになりたい~と口では言っても心の中ではそう思っていないってことだ。
ただの金属と紙切れになにをそんなに振り回されているんだ?